ふれてーイエーいよーぅ

わたしはあまり人に“触れる”のも“触れられる”のも好きではない。相方と手を繋ぐとかもさして求めないし、出来れば求められたくない。そのせいか、人に触れると必要以上にどきどきする。あー、どきどきするというのともちょっと違うな。身内のような近しい人以外に触れることがよくないことのような気がしている。それが最近ちょっと変わってきた。慣れてきた。


以前同じ職場にいた男子の一人に、何かにつけ肩を抱くというか肩に腕を回してくる輩がいた。奴は、仕事がうまくまわらずガックリと項垂れているわたしに「trainrockさん、人生そんなもんですよ」とか言いながら、宥めるかのように肩に腕を回してきたので「煩い!」と言ってよく振り払った。それでも「おれ、得意だから」と言いながらよく仕事が終わるとバスの時間までハンドマッサージをしてくれていた。たぶん奴との出会いが私の人生で初の“スキンシップに無頓着”派。冬場は特に実用性のある無頓着男だったw


先日から異動してきた年下の男子は、他人に“触れる”ことがあまり気にならないらしい。すぐ人に“触れる”。私が熱っぽいと言えば、普通に額に手を当ててくる。指先がやけに冷えると言えば私の手を自らの両の手で包みこんでみたりする(そもそも席が隣なのと、仕事を教えているのが私という立場もあって会話が多く、雑談を交わす機会も多い)。年の離れたお姉ちゃんとかに可愛がられて育ったのかなぁと思っていたら、やっぱりお姉ちゃんがいるという。私が「帯電体質なんだよ」っていえば手に触れようとするし(いや、だから触ると痛かろうよ)。
この人は「コレやってみたんだけど、ちょっと見てくれる?」と言ってマウスを握ってる私の手の上に自分の手を重ねて操作する。ここまでくると、無頓着にもほどがあるんじゃないか、と思ったりもする。わたしから進んでこの男子の端末で何らかの操作をしたい(仕事を教えている時とか)ときは「ちょっと貸して」と断ってから使う。でもそれは別に相手が女子であれ男子であれ、且つ私が人に触れるのが苦手だからという理由だけじゃなく、普通そんなもんなんじゃないかと思っているのだがどうだろう。


他にも意味なく仕事中に頭をぽんぽん叩いたり、撫でたり、椅子の背もたれをがたがたっと揺らすなどちょっかい掛けてきたり。すっごい集中しているときにやられると、少しイラッとしなくもないが、振り返ってにこっと笑う姿を見ると、大抵まぁいいかーと思う。集中しすぎて周囲が見えなくなってるとき(電話に気付かないとかあるから)、これでよく我に返る。寧ろ、そういうときにしかちょっかい掛けてこないので、男子は気付いてやっているんだと思うことにした。


昨日は昨日で、人身事故の影響で帰りの電車が尋常じゃなく混んでいたのだが、この男子が人波というか“壁”になってくれたので、わたしは比較的楽に立っていられた。このシチュエーションは私がもっと若かったらやばいね!惚れちゃうかもね!!ぐらいの感じ。それと、さすがにびっくりしたものの、おばちゃんなので、惚れたはれたより「申し訳ないなー」という気持ちのほうが強く、そんな自分が残念なぐらいだw
いやー、だって、背が高くてイケメン(たぶん)で気が優しい男子が、激混み電車で「もっとこっちきていいよ」って言ってわたしの肩を引き寄せた結果、ナナメ後ろで人波から守ってくれる、なんてことを素でやられたら、どうなの。おばちゃんだから図々しくひとりでもがんばって立っていられるのに。


こんな生活をしているせいで、最近では人に触れられることに慣れてきた。全然なんとも思わなくなってきた。いや、わかんないけど。この男子限定かもしれないけど。でもやっぱり自分から人に触れることはないな。